細菌とウイルスの違いとは。抗生物質はウイルスに効かないのになぜ風邪の時に処方されるのか?

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細菌とウイルスは明確に違います。どちらも肉眼で見えないほど小さいという共通点はありますけどね。

そして病院に行くと抗生物質を処方されることがあります。抗生物質ってどちらに効くか知ってますか?両方に効くと思いますか?

細菌とウイルスと抗生物質の関係についてまとめたいと思います。

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簡単デイズ336

細菌とは。

構造について。

細菌は、単細胞で出来ている微生物です。人間にはない細胞壁があります。大きさは、光学顕微鏡で見えるサイズをイメージして下さい。

増殖について。

水、栄養がある環境で、自分で増殖することができます。

主な細菌。

大腸菌、乳酸菌、サルモネラ菌、ボツリヌス菌、結核菌、コレラ菌などです。

ウイルスとは。

構造について。

ウイルスは、たんぱく質と核酸(DNA、RNA)で出来ています。細胞はありません。なので、定義にもよりますが、生物とは言えません。大きさは、電子顕微鏡で見えるサイズをイメージして下さい。

増殖について。

ウイルス単独では増殖できず、他の細胞を利用して増殖します。ウイルスは、生きている細胞の中で大量に増殖し、その細胞を破壊して細胞外に出てきます。そして別の細胞に侵入し、増殖を続けて行かない限り、ウイルスは生き残れないのです。

主なウイルス。

インフルエンザウイルス、ノロウイルス、コロナウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、HIVなどです。

抗生物質は何に有効なの?

細菌には抗生物質が効きます。ウイルスには抗生物質が効きません。

ほとんどの風邪の原因はウイルスです。なので、風邪のときに抗生物質を服用しても、それにより治ることはありません。いやいや抗生物質で治ってるよと思ってる人は、自分が持っている自然治癒力で治っているのです。

一方、結核やコレラ、細菌感染による腸炎などは、抗生物質の服用が効果的です。細菌を退治するために作られた抗生物質は、これらの感染症から多くの人を助けているありがたい薬なんです。

細菌感染による病気には命に関わるものが少なくありません。そういった恐ろしい病気から人命を救うために開発されてきたのが抗生物質なんです。

なぜ風邪の時に抗生物質が処方されるのか?

これには複数の理由があると思いますので、これが理由だ!という明確な答えはできません。いくつか理由を考えてみたいと思います。

第一に、風邪という曖昧な病気に対して、はっきりとウイルスが原因であると分かるのであれば、どんな医者でも抗生物質は出さないでしょう。しかし細菌感染によりその症状が出ているとの疑いも捨てきれないので、抗生物質を出していると考えられます。

第二に、ウイルスによる風邪の症状でも、これから細菌の感染が起こるかもしれない。それを防ぐために、抗生物質を出しておこうというパターンです。これに関しては議論があるようです。そもそも抗生物質に予防効果があるかどうかが明確ではないようですね。

第三に、患者が抗生物質の処方を心理的に求めているため、それに応えているパターンです。確かに抗生物質を出されないと安心できない患者もいるようです。これに関しては、必要ない場合に抗生剤を飲むのは、百害あって一利なしだと思います。

多くの場合、このような形で抗生物質が出されていると想像できます。もちろん、風邪の症状に見えて、明らかに細菌感染による症状だという診断のもと、抗生物質が処方されている、一番当たり前のケースがありますね。

しかし、それ以外の「念のため。予防のため。安心のため。」という理由で抗生物質を必要以上に飲むことは意味が無いですし、むしろ危険です。

細菌は、抗生物質に対して耐性を持ち、抗生物質が効かなくなる「耐性菌」が発生するという問題があります。つまり、むやみに抗生物質を飲むことは、細菌を弱くするどころか、強くする結果につながることがあるのです。

一昔前に言われていた、診療代を高く取りたいから、抗生物質を出しまくるという病院はほとんどないと思いますよ。日本全国に一つもないとは思いませんけど。

抗ウイルス薬とワクチン。

ウイルスには抗生物質が効きません。それならウイルス感染はどうしようもないってこと?ということではありませんので、ご安心を。ウイルスを退治するための抗ウイルス薬というものがあります。

インフルエンザはウイルスによって発症しますが、ウイルスですので抗生物質は効きません。なので、治療に使われるのは抗ウイルス薬になります。

ただし、細菌と違って、タンパク質と核酸(DNA、RNA)という構造のウイルスに対して効果的な薬を作るというのは、すごく難しいことのようですね。

また、ウイルス感染症を防ぐために、ワクチンによる予防接種が効果的なものもあります。

まとめ

細菌とウイルスの違いをまとめました。自分の生活の中で重要な情報は、ウイルスに抗生物質は効かないということです。つまり、風邪には抗生物質が効かないのです。

これって多くの人が認知してきてると思いますが、やっぱり重要な情報です。

特に子供はよく風邪をひきます。親としては、たくさん薬を出してもらった方が安心な気もしますが、たくさん飲ませるのは心配にもなりますよね。

風邪で抗生物質が出されたら、飲ませたくないですよね。だって効かないんですから。

ここで必要なことは、先生になぜ抗生物質を出すのかを聞くことです。こういう理由で処方してます、ということに納得をしてから、子どもに飲ませるのが大事です。

「風邪は薬で治らない。自然に治るもの。」という大原則をきちんと理解しておきましょう。