日本では数を数えるときに数詞を用いて、一万とか三十五億とか九十七兆などと数えます。
この億や兆という単位ですが、もっともっと大きな単位があるんです。
そして大きな数字と同様に、小さな数字にも単位があります。
今回は大数と小数の単位を紹介するとともに、数の単位に関する豆知識もご紹介したいと思います。
面白い世界が待っていますよ。
命数法と記数法
「三十五」、「二百五十六」のように、数詞で数を表す方法を『命数法』といいます。
それに対して、「35」、「256」のように数字で数を表す方法を『記数法』といいます。
数字を言葉で言うときは命数法、数字を書くときは記数法と考えると、イメージしやすいと思います。
今回は数の単位ということで、命数法のお話しになります。
大数の単位一覧表
単位 | 読み方 | 大きさ |
---|---|---|
一 | いち | 100 |
十 | じゅう | 101 |
百 | ひゃく | 102 |
千 | せん | 103 |
万 | まん | 104 |
億 | おく | 108 |
兆 | ちょう | 1012 |
京 | けい、きょう | 1016 |
垓 | がい | 1020 |
禾予※1、秭 | じょ、し | 1024 |
穣 | じょう | 1028 |
溝 | こう | 1032 |
澗 | かん | 1036 |
正 | せい | 1040 |
載 | さい | 1044 |
極 | ごく | 1048 |
恒河沙 | ごうがしゃ | 1052 |
阿僧祇 | あそうぎ | 1056 |
那由他 | なゆた | 1060 |
不可思議 | ふかしぎ | 1064 |
無量大数 | むりょうたいすう | 1068 |
※1 「禾+予」で表す漢字になります。
どうですか?大きな数の単位ってこんなにあるんです。
日常生活で見かけるものはそんなにないですけどね。
一般的に一番大きな数の単位といえば無量大数です。大きさは1068と書きましたが、1088という説もあります。どちらにしてもとんでもない大きさです。
無量大数より大きな数の単位は無いの?
無量大数より大きな数の単位は無いのでしょうか?
あるんです!!
華厳経という経典に出てくる最大の数の単位に、不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)というものがあります。
その大きさは、10372183838819776444413065976878496481295
というとんでもない大きさです。
ちなみに、その経典の中には不可説不可説転を最大の単位として、123個の単位が登場しますが、そちらは割愛させていただきます。
Googleも大きな数の単位と関係があります。
グーゴルという単位があり、大きさは10100を表します。
あのGoogleはグーゴル(googol)の綴り間違いから名づけられたものなんです。
ちなみに今まで出てきた大きな数字の単位を比べるとこうなります。
1無量大数 < 1グーゴル < 1不可説不可説転
ここまでくると、イメージすることも難しいですが、順番はこのようになるんです。
大きな数字のおまけ。
さらに余談にはなりますが、グーゴルに関連して、グーゴルプレックスやグーゴルプレックスプレックスというとんでもない単位もあります。
そのほか、数学の証明で使われたグラハム数という、私には理解不能な巨大な数字もあります。
気になる人は調べてみてください。
小数の単位一覧表
単位 | 読み方 | 大きさ |
---|---|---|
一 | いち | 100 |
分 | ぶ | 10-1 |
厘 | りん | 10-2 |
毛 | もう | 10-3 |
糸 | し | 10-4 |
忽 | こつ | 10-5 |
微 | び | 10-6 |
繊 | せん | 10-7 |
沙 | しゃ | 10-8 |
塵 | じん | 10-9 |
埃 | あい | 10-10 |
渺 | びょう | 10-11 |
漠 | ばく | 10-12 |
模糊 | もこ | 10-13 |
逡巡 | しゅんじゅん | 10-14 |
須臾 | しゅゆ | 10-15 |
瞬息 | しゅんそく | 10-16 |
弾指 | だんし | 10-17 |
刹那 | せつな | 10-18 |
六徳 | りっとく | 10-19 |
虚空 | こくう | 10-20 |
清浄 | しょうじょう | 10-21 |
阿頼耶 | あらや | 10-22 |
阿摩羅 | あまら | 10-23 |
涅槃寂静 | ねはんじゃくじょう | 10-24 |
こちらも単位がたくさんあります。日常生活で使うものはほとんどありません。
割と分と厘について。
野球の打率なんかで、3割3分3厘という表現をしますね。数字で書くと、0.333のことです。パーセント表示だと33.3%です。
これだと、「3割=0.3=30%」、「3分=0.03=3%」、「3厘=0.003=0.3%」ということになります。
あれ?
小数の単位一覧表を見ると「3分=0.3だから30%」で、「3厘=0.03だから3%」なんじゃないの?
なんで野球の打率は「3分が0.03=3%」になって、「3厘が0.003=0.3%」になってるの?
と混乱しませんか?
これは割合のときに生じる誤解しやすい表現なんです。
単位一覧表の通り、3分は10分の3=0.3、3厘は100分の3=0.03で正しいんです。
ところが、「割」という表現が出てくると、違う数字になります。
○割○分○厘という表現のときは、分は割に対して10分の1、厘は割に対して100分の1という意味になるのです。
そのため、野球の打率が3割3分3厘の場合は割合の話になりますので、3分は0.3じゃなく0.03、3厘は0.03じゃなく0.003になるんですね。
九分九厘が勘違いの原因?
九分九厘とはほぼ間違いないことを言いますが、数字にすると0.99です。パーセント表示だと99%のことになります。
この九分九厘という言葉が、野球などで分と厘を理解していると、あれ?九分九厘って9.9%のこと?と勘違いしやすい気がしますね。
腹八分目とか七分袖という表現のときは、それぞれ80%と70%と認識するのに、九分九厘で混乱するというパターンです。
ここで「分」と「厘」をしっかり理解しておきましょう。
まとめ
数字の単位を紹介しました。
正直、日常生活では使わないものがほとんどです。
こんなにたくさんあるんだなと知っておくだけでいいと思います。数字の単位に関連する豆知識を知っておくと、自慢できる場面があるかも知れませんよ。