漢字には大きく分けて音読みと訓読みがあります。慣用読みもありますし、特別な読み方をする場合もあって、読み方を間違えることが少なくありません。
よく間違われるのが、「間髪をいれず」の「間髪」の読み方ですね。
かんぱつと読みたくなりますが、正解は「かんはつ」です。
これはかんぱつの方が発音しやすいから、かんぱつで覚えちゃって、そのまま「かんぱつ」と読んじゃうんでしょうね。
でも「間髪をいれず」という表現、日常ではそうそう使いませんよね。
そんなわけで、私が日常で使うことが多そうだと思うものを勝手に選んでみました。
読み方を間違えやすそうな漢字をまとめてみたいと思います。
慣用読みとは。
本題に入る前に、慣用読みについて書いておきたいと思います。
慣用読みとは、「一般的にその読み方も広く認知されているもの」のことです。
場合によっては慣用読みの方が正しい読み方になることもあります。
例えば、輸入の正しい読み方は「しゅにゅう」だったんですね。それが慣用読みで「ゆにゅう」と読まれて、今では「ゆにゅう」が正解です。
あと、重複は「ちょうふく」と読みますね。慣用読みでは「じゅうふく」と読まれます。
私の周りも「じゅうふく」と読んでいる人が多いです。私は「ちょうふく」派ですが、いずれ「じゅうふく」が正しい読み方になるかも知れません。
「ちょうふく」と「じゅうふく」のように、正しいのは「ちょうふく」だけど「じゅうふく」でも間違いではない、というものはたくさんあります。
それは音読みに呉音、漢音、唐音などの読み方があることが原因だったりします。
このあたりを詳しく調べて行くと、面白い世界が広がっていますが、今回の記事の趣旨からどんどん脱線していくので、このあたりで止めておきます。
読み間違えやすい漢字をまとめました。
それでは本題に入ります。
私がピックアップした読み間違えやすいと思う漢字です。あなたはいくつ読めますか?
年俸
ねんぼうと読んでる人いませんか?これは「ねんぽう」が正解です。
俸が棒(ぼう)という漢字に似てますからね。それで間違えやすいんだと思います。
首相
「しゅそう」と読む人を見かけますが、「しゅしょう」が正解です。
相殺
「そうさつ」ではありません。「そうさい」です。
遵守
そんしゅと読む人をたまに見かけます。「じゅんしゅ」と読みます。
貼付
送り仮名があって、貼り付けと書いてあれば、もちろん「はりつけ」と読みますが、貼付と書いてあれば「ちょうふ」と読みましょう。
慣用読みでは「てんぷ」と読まれますね。これも間違いではなくなってきています。
御用達
慣用読みの「ごようたつ」でも間違いではありませんが、「ごようたし」と読みます。
御利益
「ごりえき」ではありません。「ごりやく」と読みます。
利益は「りえき」、不利益は「ふりえき」と読みますけどね。注意しましょう。
月極
この漢字はよく見かけますから間違える人も少なくなっていると思いますが、「げっきょく」ではありません。「つきぎめ」です。
茨城
茨城県民の方に失礼な問題で申し訳ありません。。。でも結構、「いばらぎ」って読む人が多くないですか?
もちろん正解は「いばらき」です。濁ったらダメですよ。
他人事
「たにんごと」と書いて、読み方は「ひとごと」です。
「たにんごと」という読み方も慣用読みの地位を確保してきている気がします。
凡例
凡は「ぼん」とも読みますが、「ぼんれい」ではなく、正解は「はんれい」です。
これも「ぼんれい」が慣用読みなのかな。この辺の判定は難しいですね。
汎用
上の問題と似ていますね。「ぼんよう」ではありません。「はんよう」と読みます。
これは凡と汎が似ていますし、凡庸(ぼんよう)という言葉もあるので、間違えやすいんだと思います。
完遂
「かんつい」と読んでしまう人は墜落(ついらく)の「墜」の漢字のイメージが強いのかな?
正解は「かんすい」です。
続柄
これは多くの人が「ぞくがら」と読んでる気がしますが、正しくは「つづきがら」です。
ぞくがらって慣用読みになるのかな?そのうち「ぞくがら」が正解になりそうな気も…
事由
これは読めますよね。「じゆう」で正解です。
何でこの漢字をピックアップしたのかというと、私が小さいころ「じゆ」と覚えてしまってたんですね。今、思えば恥ずかしいですね。
いかがでしたか?全部読めたでしょうか?
どちらでも間違いではないものも多い。
早急はさっきゅうが正しいとされていますが、そうきゅうと読んでも間違いとは言えません。私は両方使います。
こういう漢字はたくさんあります。
依存は「いそん」が正しいとされていますが、「いぞん」でも間違いではない。
固執は「こしゅう」が正しいとされていますが、「こしつ」でも間違いではない。
発足は「ほっそく」が正しいとされていますが、「はっそく」でも間違いではない。
私、河川敷のゴルフに行くのですが、「かせんじき」っていっちゃうんですよね。
これは、「かせんしき」と使った方が間違いないでしょう。しかし「かせんじき」でも間違いではない。なので私はかせんじき派です。
敷は「しき」とも「じき」とも読みますので、河川敷は両方の読み方をするのですが、桟敷は「さじき」、座敷は「ざしき」としか読みません。
まとめ
今回、紹介した間違えやすい漢字は、実際に私のまわりでも結構間違えられてるものを集めてみました。
似ている漢字と同じように読んで、間違えているケースも多いです。
小さいころに間違って覚えて、そのままになってることもありますので、この機会に正しい読み方を覚えておきましょう。
また、間違えやすい漢字の書き方もまとめています。この機会に、あなたが覚えているものと合っているか、確認してみてはいかがでしょうか。
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コメント
面白いページに出会えたな、という気分になりました。
実は、岸田外務大臣が、「端緒」を「たんしょ」と発音されて
いたのが気になって調べたところ、「たんちょ」は間違いとなって
いたのです。へぇ、と思い、何気なくこのページに目が止まりました。
だけど、今こうして入力していても、「たんちょ」の方が速く変換されるんです!
ほとんどの人が「たんちょ」と読んでいる証拠ですかね?
端緒(たんしょ)はいい事例ですね!
まさしく「たんちょ」が慣用読みで、誤りなのですが、
一般的にはこの読み方が浸透していると思います。
私は口語で使うことはまずありませんが、漢字の問題で「たんしょ」と
覚えてしまったので、そっちの方がしっくり来るんですよね。
でも周りで「たんちょ」と言ってる人は何人もいました。
もしかしたら、こっちが正しいとされる時が来るかも知れませんね。